壁崩壊から20年のベルリン

…に行ってきました。

今回のベルリンは私にとって初めてのベルリンです。

今、今まで見た映像の中で、一番うれしかった映像は何?と
聞かれても、このベルリンの壁崩壊が一番に挙げられるのでは
ないか、と思うくらい、1989年、私が受験生だったときに見た映像は
強烈で、遠い国の出来事なのに、心が躍りだすくらいうれしかったことを
覚えています。

絶対に行ってみたい、行ってみるんだ、と思いつつ…
なぜかヨーロッパには縁がなく、初めてヨーロッパに足を向けた頃には
あの頃の情熱は薄れ、ベルリンに行くことはありませんでした。
が。今年は崩壊から20年の節目、ということで、行ってみることにしました。

もう20年も経っているのだから…
壁の残骸や跡などアートや博物館で見る以外、何も残っていないだろう…。
今回が初ベルリンの私にとって、「あの頃」と比べることなどできないし、
むしろ新しいベルリン、を楽しむんだ、という気分でスケジュールを組み、
出発前はあまり壁のことは意識していませんでした。

しかし、実際にベルリンに行ってみると。
たしかに西側諸国によく知られた「白い壁」そのものは残っていませんでした。
が、ここに壁があったのだ、ということは多くの場所で認識することができました。
それは、実際には、ベルリンの壁は「白い壁」一枚だけでできていたのではなく、
東ベルリン側にも「裏壁」があり、その間には無人地帯と呼ばれる
広い範囲のパトロールエリアがあり、このエリアが、いまでも
多くの場所で残っていたからです。

今では、この無人地帯は、広い野原となり、過去の歴史を無言で伝えている、
そんな風に感じたのです。

私たちは、今回1週間、短期滞在アパートに泊まりました。
一週間で400ユーロ未満、と格安の値段でした。
予約した時点で、このアパートが当時の西ベルリンに位置するのか、
東ベルリンに位置するのか、そんなことは分からなかったし、
気にしもしませんでした。
Google地図で見た場所からいうと、ここは東ベルリンかな?と思える場所
だったのですが、実際にベルリンに着いてみると、そこはかつては壁が
すぐ近くに走る西ベルリン側に位置していることが分かりました。

そのアパートがある駅(Gesundbrunnen)からSバーンに乗ると、
次の駅(Humboldthain)を過ぎた先にかつての壁ゾーンがありました。
そこを毎日通り過ぎて、観光地へと向かうのですが、そこの壁ゾーンには
なぜかまだ壁そのものも何枚か残されていて、その壁の向こうには野原が
広がっていました。

なぜそこの壁は取り残されているのか?
壁マップにも「Wall Section」と赤字で書かれているだけで、
壁が残っていることは記されているのですが、
何の目的で残されているのか何もかかれていないので、
良く分からないのですが、毎日そこを通り過ぎると、
やはり壁のことを考えずにはいられなくなっている自分がいました。

かつてはここから先には東ベルリンの人はいけなかったのだな、とか、
20年も経ったのに、、、この壁が存在した28年間の壁の重みは
いつまで続くのだろう?とか、、、etc.

さて。
かつて壁があった頃、西ベルリン側では、壁の近くに住むと
いうことは薄気味悪いことで、誰もが壁の近くに住むのを嫌がり、
空家がかなり目立っていたそうです。
そのような地に住むのは、お金のない海外からの労働者で、
そのようなわけで、壁に隣接するクロイツベルグ地区などは
現在でも有名な「外国人労働者=トルコ人街」として発展していったようです。
当時は治安も悪く、空家の不法占拠者などがいたりして、
なかなか再開発への道筋が立たず、老廃化したアパートがそのまま
取り残された状態だったそうです。

DSCF5103.jpg

80年代、不法占拠者が「占拠中」の垂れ幕を下ろす。
クロイツベルグ地区にて (写真 PANA)


なるほど。
言われてみれば、私たちが借りたアパートも壁に隣接する
西ベルリン地域(ウェディング)にありまして…。上の情報を知った上で、
周りを眺めてみると、こちらも街を歩いているのはトルコ人ばかり。
しかも、私たちのアパートの外観も、上の写真のような、、、なんだか
いつ崩れてもおかしくない?てな感じの古ぼけたアパートで、
お世辞にも「ステキ」と思えるものではありませんでした(苦笑)。

ああ、、、ここらへんも。
かつては、不気味で大変不人気なエリアだったのかもなあ~。
なーんて想像しつつ、毎日を過ごしていました。

あ、でも、アパートの外観はイマイチでも、内部はすべて綺麗に
改装されていて、治安も何の問題もなく、とても静かで、
大きなショッピングモールから100メートルくらいのこのアパートは、
結局のところ、とても良い「お買い得」のアパートだったんですけれどもね。
(強調しておきましょう!!)


以下は、「ベルリンの壁」を視点にしたベルリンの写真集です。


DSCF4894.jpg

西側からブランデンブルグ門を臨む。
かつての壁の位置には、石でマーキングがされている。
(道路左右に横切る石)


DSCF5102.jpg

20年前はこのような状態だった。
「この先は西ベルリンにあらず」
(写真 ユニフォト・プレス)


DSCF4893.jpg

ブランデンブルグ門をくぐってウンターリンデン通りへ。
このあたりは、新しいビルが立ち並ぶきらびやかなエリア。
くぐって右側には、かつての東独の敵であったアメリカの
大使館があるのが、20年という時代の流れを感じさせる。
写真の右側の建物は、高級ホテルHotel Adlon。
マイケル・ジャクソンが子供をバルコニーから吊り下げたことで
一躍有名に…(?!)


DSCF4904.jpg

国会議事堂の西側は、シュプレー川が国境だった。
川の向こう、壁があったところには、これまたモダンな建物が…。
左下の、白い十字架は、かつて壁超えに失敗して命を落とした人々
の名前がつづられている。


DSCF4906.jpg

国会議事堂の南側にも、白い十字架が並んでいる。


DSCF4905.jpg

最後の「壁」の犠牲者 - Chris Gueffroyの十字架
彼は1989年2月5日、壁が壊れる9カ月前に命を落とした。
20歳だった。
9ヶ月間、待っていれば…彼は今、40歳。
統一ドイツのどこかで幸せな父親だったかもしれない。


DSCF4988.jpg

左の黄色い建物はかつてのベルリン・フィルの建物。
西ベルリンの東、壁が隣接する不便な場所にわざわざ
この建物を建てたのは、将来もしベルリンが統一される
ときがくるならば、そのときは中心地に位置していよう、
という理由なのだそうだ。当時は斬新なアイデアだったに
違いない。

その向こうには、これまた新しく生まれ変わったポツダム広場
が広がる。


DSCF4991.jpg

モダンなビルが立ち並ぶポツダム広場周辺。


DSCF5100.jpg

かつてのポツダム広場はこのように不気味な
エリアだったのだ。 (写真 PANA)


DSCF5065.jpg

ポツダム広場の小さな道路を少し入ったところに残る監視塔。
なぜかここには観光客が誰もおらず、荒れ果てた監視塔は
ここだけかつての不気味な静けさを漂わせていた。
これは現在のところ、歴史建造物には指定されておらず、
この監視塔をどうするのか処遇に困っている状態なのかもしれない。


DSCF5053.jpg

まだ建物の建築目途が立っていないかつての「無人地帯」。
無人地帯はどこも、雑草が伸びて、野原になっている。


DSCF5050.jpg

今や一大観光地になったチェックポイントチャーリー。
観光客でごったがえしていた。
モダンなビルが立ち並び、かつての面影はないのでは
ないだろうか。


DSCF5044.jpg

チェックポイントチャーリー駅。


DSCF5058.jpg

第二次大戦終了までナチス親衛隊(SS)の本拠地があったと
される場所には、壁が残されている。
SS関連のミュージアム建設は、第一次建築計画が撤回され、
混乱を極めていたが、ついに再び新しい建築がはじまったようだ。
この壁は、歴史的建造物として残される方向になっているらしい。


DSCF5056.jpg

近くで見ると、ぼろぼろ。
皆が「お土産に」と削って行ったためらしい。
大量のアスベストを含んでいるといわれる壁は、とても高い。


以上、「壁」を視点に纏めてみました。
いかがでしたでしょうか。


ベルリンには1週間いたので、いろいろできるかな、と思っていたのですが、
結局のところ、本当にメインなところしか回れませんでした。
ベルリンはやはり大きい!!

いろいろ見ていたら、東ドイツという今はない国にも興味が沸いたし、
壁マップを手に、街を散策してみたいとも思ったし、
新しいMitteを見て回りたい、とも思ったし…。
何より、今回かなり楽しみにしていた買い物の時間が
ほぼ何も取れなかったので(涙)、また1週間くらいの休暇で
ベルリンに戻って来たいです。

また細かい旅行記は「おらんだ通信」のHPのほうでUPしていく予定
ですので、ちょくちょく見てくださいね。
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