我が家は週休3日。オランダ的ワークシェアリング?!

最近、日経新聞やインターネットニュースなどを見ていると、
この大不況下、ワークシェアリングの導入、てな記事を
よく見かけるので、今日はワークシェアリングの最先端をいく(?)
オランダの実情など、、、書いてみたいと思います。

まずは我が家の実情ですが…。
今までは、だんなが80%、私が70%働き、家族三人で
1.5人分の労働、と、まさにオランダの典型を絵に描いたような
生活を送っていました。が。しかし。。。今月で私も会社を退職。
70%の私が退職したら、当然だんなは現在の80%を100%に
して、週5日働くことになるんだと、思っていました。
・・・が。ご存知のこの不況。先日会社から10%のコスト削減を
言い渡され、だんなも週5日働くことは事実上無理の状態に
なってしまいました。だんなは、フリーランスで働く、、、と
言っていますが、この不況。まあ、自分で仕事なんて見つけられっこ
ないでしょう。

…てなわけで。
来月から、我が家は週休3日・家族3人で0.8人分の労働に
なります。おいおい。ワークシェアリング最先端を行く
我が家じゃないか。。。(苦笑)

さて。そんな状況になっても。
絶望的。悲観的。にならないのがオランダ。
私が究極の「呑気」っていうわけでは決してありません。
それでは、どうして、こんなに落ち着いていられるのでしょう?

それは。
オランダの「税制制度」にあります。

日本は、ヨーロッパに比べると税金は驚くほど安く、
しかも年収によってもそれほど税%の差はほとんどない、
といっても言いすぎではありません。

たとえば。
日本の今の税制で、週5日働いて、年収(手取り)500万円の人が、
週4日の80%に変更したとしたら、まあ大雑把にいえば、
年収(手取り)は400万円になってしまう、といえるでしょう。

おい。
この世の不況のためだ。
なんとか週4日労働にしてもらえないだろうか?
手取りは100万円減るけれども、週休は3日になるぞ。

…と、いわれたところで、いったいどれくらいの人が、
…。分かりました。世のため、人のため。私が週4日労働にします。
と、賛同するであろうか?!まあ、私が思うところ、ほとんどの
人はNOと言うでありましょう。

が。しかし。たとえば。
週4日労働(80%労働)で、年収(手取り)が400万円の人が、
週5日労働(100%労働)に変更しても、年収(手取り)は
430万円にしかならず、残りのもらえるべきはずの70万円は
ぜーんぶ税金で持っていかれてしまう、ということになれば
どうでしょうか。

30万円+TAX70万円で週5日労働を選択するか。
はたまた30万円はもらえないけれども、週休3日を選択するか。
こうなってくると、世の中には、うーーーん。30万円しか
違わないんだったら、週休3日にしてボランティアでもしようかな、とか。
うーーーん。TAXで70万円も持っていかれるくらいなら、、、
週休3日しよう、とか。そんな風に考える人が出てきても
おかしくはないと思います。

実際、オランダの税制制度は上記のような、そんな感じです。
日経新聞などはオランダは「痛みを分け合ってワークシェアリング
を取り入れている」などと書いていますが、ここでは犠牲的精神、
というよりも、むしろ、どちらかというと「損得」で、
ワークシェアリングを受け入れているのです。

すなわち。
真面目に週5日のフルタイムで働く人は、税金をたくさん払わなければ
ならず、思いっきり損をしたような気分になり、
週4日、またはそれ以下のパートタイム労働者は、税金率が低くなり、
なんとなく得をしたような気分になる、という。
この巧みな税制制度がワークシェアリングを下支えしているのです。

ちなみに。
私も最初は100%労働者でした。
めっちゃ高い税金に、いったい何なんだ、ここは。
と思いましたよ。
それに、まだオランダに来たばっかり、ということもあってか、
世の中の、子育てなど、特に理由もないのに週4日しか働かない
国民をなんて怠け者な国なんだ、とさえ思っていたほどです。

しかし。。。そんな私も数年後80%の週4日に変更しました(笑)。
そして。給与明細をみた瞬間…。
「もっと前に80%にしても良かったかも」
とさえ、思ってしまいました。実際の手取り額は20%減ではなく、
どちらかというと10%減くらいで、昇給もあわせると、対して
変わりがないことに気がついてしまったのです。
もらえるお金がそうそう変わらない、ということであれば、
皆、週4日を進んで選ぶ、そんな「損得」がここに存在している
ということにようやく気がついたのです。

さて。
そうやって、真面目にたくさん働く人から大量に吸い上げた
TAXは何に使われるのでしょうか。ここで日本の政府のように
無駄な道路や新幹線を作ることを選んでしまってはいけません。

ここで使われるTAXは、たとえば子供の教育費は成人するまで
一切無料、とか。ここでもまた、シングルで高収入の人は、
自分が大量に支払ったTAXの恩給をまったく受けられず、
得をするのは、子沢山の人々ばかり、ということになればどうでしょうか。

子供は「損得」で作るものではないと思いますが、今の日本で
結婚しない人が多く、子供もたくさん作らない家族が多いのは、
子供がたくさんいるとお金がたくさんかかって、まあ言うなれば
「損」をする、という状況にあるからではないでしょうか。

子供の教育費がいっさいかからず、子供がたくさんいれば、
TAX免除も多くなる、という「お得」状況であれば、もっと多くの人が
子供を持つ家庭を築くことになりましょう。

少なくとも、まさにオランダはそれです。
街を歩いていると、とんでもなく若く(18歳未満?)、どうやって収入を
得ているんだろうか、というような若年カップルが子供を連れている
ことがあります。下手すると、3人も4人も連れていることもあり、
私などは唖然とすることもあります。

彼らは…。子供をそれだけ作ってもなんとか暮らしていけます。
たぶん、、、収入はそれほどないでしょう(下手すれば全然、てことも)。
それでもやっていけるのは、弱者が得をするこの税金制度がある
からです。彼らは、高収入でリッチな、いわば勝ち組からお金を
吸い上げて、生活していけるのです。

こうなってくると。
真面目に働くのが、それこそバカらしくなってきてしまう、かもしれません。
そう、まさに。ここは。「怠け者を奨励する」制度を持つ国。
ワークシェアリング、とは、そんな制度なんです。

この制度には賛否両論あると思いますし、私自身、この制度を日本も
取り入れるべき、などと胸を張っていえるか?というと、
うーーーん、と悩みます。

しかし。これだけはいえます。
今の日本の政策・政治は、すべて「企業」のため。
「経済をよくすることが国民の生活を良くする」といっていますが、
企業の言いなりになっているようでは、経済がよくなっても全ての国民の
生活が良くなる、ということにはなりません。たとえば今ある非正社員の
悲劇は、まさに政治の企業寄りの決定が産んだ悲劇なのです。
政府は、時には企業と相反してでも、国民を守らなければいけないのです。
そして、それは、経済を見捨てることでは決して有りません。
オランダにいると、日本の政治がいかに企業に操られているか、
それを強く感じます。少なくとも、オランダの政治は国民のためにあって
しょっちゅう企業は政府の介入を受け頭を抱え、どんな(とんでもない)
国民でも大きな顔をして生きていけるのです。

なーんだか、真面目に書いてしまいました。。。が。
そんなわけで、我が家も来月から、80%の労働者が家に一人
いるのみとなりますが・・・(苦笑)、まあ、100%働いても
それほど収入が増えるわけでもない、ということを知っているので、
呑気にしていられます。金曜日は、だんなにりすちゃんを
見てもらって、私はミュージアムカードでも持って、各地の
ミュージアムを無料で見て回ろうかしら~~、おほほ、、、。
なーーんて。こーんな呑気なことを考えていられるのも。
オランダのワークシェアリング制度のお陰なのかもしれません。
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Comment

ひじり | URL | 2009.02.17 07:40 | Edit
すごい勉強になりました。

完璧な社会システムというのは存在しないと思うので
メリットもあればデメリットもあるのだと思いますが、
ワークシェアリング推進のための税システムは
なかなか良いですね。
ふむふむ。
sora@oranda | URL | 2009.02.18 06:09 | Edit
オランダの税金システムはとても複雑で、
実際は簡単に上記↑のようにはいかないのですが、
まあ、人々が4日を選ぶ理由はこんなところです。

日本ももっともっと色々な制度を進んで取り入れて、
将来が明るいシステムを作っていって欲しいですね。
今のままじゃ、今の政治じゃ…失望が大きすぎます。
国民が不安になって当然ですよ~汗。
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